こんにちは。
私はCGが好きで、気になる表現や新しい技術があれば、つい日常的に調べてしまいます。
中でもここ数年、とくに驚かされているのがAIの進化です。
以前は、よりリアルなCGをつくるために、何時間もかけて試行錯誤し、細かな調整を繰り返していました。
それが今では、AIに指示を出すだけで(ある程度の下地は必要ですが)わずか数分でフォトリアルなCGができてしまうようになりました。
実際に、最近作成したCGの一例がこちら。AIに指示を出す前と出した後の比較です。
整合性が取れてない箇所もありますが、ディテールや光の入り方、素材の質感などが一気に洗練され、表現の幅がぐっと広がるのを実感します。

ただ、私が普段CGを扱う中で意識しているのは、「何を伝えるためのCGか」という点です。
たとえば、契約前のお客様との打ち合わせでは、リアルさよりも設計意図を伝えることのほうが重要になることがあります。
なぜこの場所に窓があるのか、吹き抜けにした理由はなにか、この場所からどんな景色が見えるのか、等々。
CGにはさまざまな使い方がありますが、図面だけでは伝えきれない設計意図をわかりやすく伝えることも大きな役割のひとつだと思っています。
フォトリアルな表現は、それを補完する加点要素にすぎず、そこを取り違えると伝えたいことがぼやけてしまうことがあります。
AIが進化し、誰でもCGを作れる時代だからこそ、「何のためにCGを使うのか」を意識していきたいと思います。
設計/奥田 渉